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コーヒーができるまで(栽培から出荷まで)

コーヒーノキに実をつけた種子の画像

日頃からなんとなく飲んでいるコーヒーって、いったいどこからどのようにやってくるのでしょう。
暖かい気候の国や土地で作られたコーヒーは、長い距離を船や飛行機に乗って旅をしてそれぞれの消費国へ、
そして焙煎、粉砕、抽出されやがて美味しいコーヒーになります。
この作られてから私たちに届くまで、たくさんの人が関わっています。

コーヒーを栽培する生産者、生産国から輸出入を行うバイヤーなど、コーヒーを焙煎するロースター、
そしてコーヒーを抽出・提供するバリスタとあらゆる業種の方の手を渡って行きます。
ここからは、コーヒーがどのように出来ているかを見て行きましょう。

目次

コーヒーは熱帯植物


コーヒーは、「コーヒーノキ」という熱帯植物で、その実(コーヒーチェリー)を収穫、種を取り出し
その種を焙煎・粉砕してお湯や水を通して成分を抽出している飲み物です。
コーヒーノキの品種は大きく分けて3種ですが、一般的に流通しているのは、アラビカ種とカネフォラ種といわれています。

コーヒーノキの種類

【コーヒーノキ】
アカネ科 コフィア属 エウコフィア

【品種】(世界で消費されている割合%)
アラビカ種(65%)・・・エチオピア原産
カネフォラ種(ロブスタ種)(35%)・・・中央アフリカ原産
リベリカ種

アラビカ種
樹高5mくらいまで成長します。葉の形状は細長くてわずかに波打っているのが特徴です。​形状は長細く光沢のある濃い緑色の葉を持ち、15cmくらいの大きさまで成長します。
アラビカ種の特徴は1株で受粉、種子を作ることができます。有名な品種は「ティピカ種」や「ブルボン種」など200種を超えるものがあります。

カネフォラ種(ロブスタ種)
樹高は10mくらいまで成長します。葉の形状は横幅が広く大きいのが特徴で、質感がよりマットでくらいまで成長します。2株で受粉して種子を作ります。 

主なコーヒー品種の詳細表

品種特徴生育環境主要生産地病害抵抗性
アラビカ繊細な味わい、酸味、豊かな香り高地(600〜2000メートル)中南米(ブラジル、コロンビア)、アフリカ(エチオピア、ケニア)弱い
ロブスタ強い苦味、カフェイン含有量が高い低地(600〜1500メートル)アフリカ(ウガンダ)、アジア(ベトナム、インドネシア)強い
コーヒーの品種詳細

コーヒーの品種について詳しい内容はこちらから

★植物園などでコーヒーノキを見かけた場合、葉の大きさを気にしてみると品種が分かって面白いと思います!
補足ですが、アラビカ種やカネフォラ種はお米で例えると「日本米」と「インディカ米」違いのようなもので
形状と味が違います。さらにティピカ種やブルボン種は、こちらもお米で例えるなら、日本米のコシヒカリやキヌムスメなどのようなものです。

コーヒーノキとコーヒーチェリーの種子の画像
コーヒーノキとコーヒーチェリーの種子の画像

エチオピア発祥のコーヒーはどのように伝わっていったの?(伝播)

【ティピカ種の伝播】

ティピカ種のコーヒーは、6〜9世紀(1600年)ごろに、エチオピアからイエメンへ渡ります。
その後1699年には、イエメンからジャワ島へ東インド会社によって渡ります。
1706年には、ジャワ島からアムステルダムの植物園に、
1713年に、フランフのルイ14世に送られます。(noble tree)
1720年、フランスからマルチニーク島(カリブ海近国)へ、その後中米諸国へと広まっていきます。

【ブルボン種の伝播】

エチオピア原産のブルボン種のコーヒーは、1717年頃イエメンからブルボン島(レユニオン島)にフランス人によって伝えられます。その後1877年、ブルボン島からケニア・タンザニア・中米諸国へと渡って行きました。

【カネフォラ種(ロブスタ種)の伝播】

1898年。イギリスのキュー植物園からシンガポール、トリニダードへ。その後1900年、ジャワ島へと伝えられました。

コーヒーノキの生産地域と国別生産量2022年統計

コーヒーノキの生産地域は、赤道をはさむ南北約25度の一帯で栽培されています。その一帯は「コーヒーベルト」と呼ばれています。それら一帯で栽培されている国別の生産量の上位10位は下記の通りです。

下記以外にも有名な生産地はこのコーヒーベルトの一帯で作られています。
(例)
グアテマラ、ジャマイカ(ブルーマウンテン)、ハワイ(コナコーヒー)、タンザニア(キリマンジャロ)など
   

●世界のコーヒー豆 生産量 国別ランキング
1位はブラジルの3,172,562トン、2位はベトナムの1,953,990トンとなっています。

2022年 コーヒー豆の生産量
順位国名単位:トン
1ブラジル
3,172,562
2ベトナム
1,953,990
3インドネシア
794,762
4コロンビア
665,016
5エチオピア
496,200
6ウガンダ
393,900
7ペルー
352,645
8インド
338,619
9ホンジュラス
315,490
10中央アフリカ
306,901
出典・参照:グローバルノート – 国際統計・国別統計専門サイト 世界のコーヒー豆 生産量 国別ランキング・推移

コーヒーを育てる4つの条件

コーヒーノキは温かい地域で栽培されているイメージですが、日差しが強すぎても育ちません。ある程度の条件が整っていないと順調に成長できないといわれています。

  • 雨量

コーヒーノキに必要な降雨量は年間1800mm〜2500mmといわれています。成長期には多くの雨が必要で、収穫期には乾燥しているような雨季と乾季がある環境が必要です。

  • 日光

コーヒーノキは日光を好みますが、日当たりが強すぎると葉が傷んでしまいます。そのためコーヒーの産地では、コーヒーノキの近くに背の高い木を植えて日除をしています。この背の高い木は日陰の意味からシェイドツリーと呼ばれています。

  • 気温

コーヒノキの栽培に適しているのは、年平均20℃ほどの地域。夏の避暑地のような過ごしやすい温度であることが必要とされています。日中は暖かく心地よい気温ですが、夜になると肌寒くなるような環境が良いようです。

  • 土の質

土質は肥沃で水はけが良いことが重要。そして少し酸性の土壌の方が、コーヒーノキの成長には良いようです。

コーヒー生豆(グリーンビーンズ)ができるまで(生産国編)

コーヒーノキは、種から発芽させて苗木に成長、その後農園に定植し大きく育てて行きます。
育ったコーヒーノキは、やがて白い花を咲かせ実を膨らませて行きます。最初は緑色だった実は赤く熟し収穫の時期を迎えます。この一連の期間は品種で異なりますが、3〜5年の年月を要します。

コーヒー生産国では、コーヒーノキの栽培からコーヒーチェリーを収穫してコーヒー生豆(グリーンビーンズ)
していくまで下記のような一連の工程が行われています。

  • 1.収穫
  • 2.精選
  • 3.乾燥
  • 4.脱穀
  • 5.選別
  • 6.最終検査

このコーヒーの収穫から精選、乾燥までのプロセスについて詳しく説明します。
(精選とは、コーヒー生豆を取り出すにあたり外皮、果肉、ミューシレージ(粘膜質)、パーチメント(内皮)を取り除き乾燥させる工程です。)

1. 収穫

手摘みと機械摘み
コーヒーの収穫は主に2つの方法で行われます:手摘みと機械摘みです。手摘みは、熟したコーヒーチェリーだけを選んで収穫する方法で、高品質のコーヒーが得られます。機械摘みは、広い範囲のコーヒーチェリーを一度に収穫する方法で、効率が高いですが、熟していないチェリーも混ざることがあります。

2. 精選

精選方法には主に3つの方法があります:

2.1 ウォッシュド(水洗式)プロセス

  1. パルピング:収穫したコーヒーチェリーを機械でパルピングし、果肉を除去します。
  2. 発酵:果肉が取り除かれたコーヒー豆を発酵槽に入れ、残留する果肉を自然に分解させます。発酵は通常24〜48時間かかります。
  3. 洗浄:発酵後、豆を大量の水で洗浄し、残留物を取り除きます。

2.2 ナチュラル(非水洗式)プロセス

  1. 乾燥:収穫したコーヒーチェリーをそのまま天日で乾燥させます。乾燥は通常2〜4週間かかります。
  2. 果肉除去:乾燥後、機械で果肉を取り除き、コーヒー豆を取り出します。

2.3 ハニープロセス(半乾式)

  1. パルピング:収穫したコーヒーチェリーを機械でパルピングし、一部の果肉を残します。
  2. 乾燥:果肉が残った状態で豆を天日で乾燥させます。このプロセスにより、豆に甘みが加わります。

2.4その他のプロセス

パルプドナチュラル・スマトラ式・アナエロビックはこちらのページへ

3. 乾燥

精選後のコーヒー豆は、さらに乾燥させて水分含有量を約10〜12%にします。乾燥方法には天日干しと機械乾燥があります。天日干しでは、豆を広げて定期的にかき混ぜながら乾燥させます。機械乾燥は、乾燥機を使用して短時間で乾燥させる方法です。

4. 脱殻

乾燥後の豆からは外皮(パーチメント)がまだ付いています。この外皮を取り除くために脱殻機を使用しグリーンビーンズを取り出します。

5. 選別

脱殻されたコーヒー豆は、大きさや重さ、欠点などで選別されます。この段階で高品質な豆とそうでない豆が分けられます。分別には、風力選別、スクリーン選別、比重選別、光学(比色)選別、目視選別などの技術が使用されます。

6. 最終検査とパッケージング

分別された豆は、最終検査を受け、異物や不良豆を取り除かれます。その後、輸送用の袋に詰められ、世界各地のロースターやバイヤーに出荷されます。

これらの工程を経て、コーヒー豆が最終的に消費者のもとに届くまでの品質が確保されます。

さらに詳しい内容は下記のリンクから↓

★栽培について
★収穫・精選・乾燥・選別・乾燥について
★保管・輸送・流通について

品種ごとのグリーンビーンズの特徴

アラビカ種のグリーンビーンズ

アラビカ種のコーヒー豆は形状が細長く、色は均一な緑色をしています。味わいが豊かで、酸味があるのが特徴です。

ロブスタ種のグリーンビーンズ

ロブスタ種のコーヒー豆は丸みを帯びた形状で、アラビカ種よりも小さく、色はやや濃い緑色です。カフェイン含有量が高く、苦味が強いのが特徴です。

生豆に含まれる主要な成分についてはこちらから

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