著者:デカフェのすすめ編集者
カフェインをマネジメントする
現在では、健康や良質な睡眠を維持するために、コーヒーに含まれる成分のカフェインを控える方が増えてきています。私生活から完全にカフェイン摂取を無くするのではなく、「カフェインを控える」「カフェインをマネジメントする」という流れがトレンドになっています。

2024年に行なったアンケート調査の結果では、日頃からデカフェを購入する74%以上の方が、日や時間帯において通常のカフェイン入りのコーヒーと、デカフェを飲み分けしていることが分かりました。その多くは、30代から50代で半数以上が女性でした。
2024年12月TCRアンケート調査結果
Q1、カフェインレスコーヒーを飲みたいと思う理由は何ですか?
● 覚醒作用を気にしなくていい・・・37.1%
● 胃の負担を減らしたい・・・28.6%
● カフェインを摂り過ぎた・・・14.3%
● 妊娠・授乳中でカフェインを控えたい・・・9%
● その他・・・4%

Q2、一般的なコーヒー(カフェイン入り)も飲みますか?

Q3、カフェインレスコーヒーを飲用するシーンはどのような時ですか?

カフェイン除去方法とは
そんなデカフェ(カフェインレスコーヒー)は、以前から美味しくないというイメージを多くの方が持っているようです。しかし近年のデカフェは、カフェインが入っていないだけで、味わいや風味はスペシャリティーコーヒーそのもの。
まずは、そんなデカフェがどのように作られているのか。またカフェイン除去はどうやっているのか。そのあたりを詳しくお伝えしたいと思います。

よくある3つのカフェイン除去法
1. ウォータープロセス (水抽出法)
水を使った方法
2. 二酸化炭素抽出法 (超臨界二酸化炭素抽出)
二酸化炭素を利用した方法
3. その他 (有機溶媒抽出法)
それぞれの特徴
1. ウォータープロセス:(有機JAS認証製法)
ウォータープロセスは、水を使ってコーヒー豆からカフェインを抽出するデカフェ加工方法です。この方法では、薬品を使用しないため安全性が高く、日本国内で流通しているデカフェコーヒーの多くで採用されています。
ウォータープロセスの特徴
- 薬品を使用しない:ウォータープロセスは、水のみでカフェインを抽出するため、化学物質の残留を心配する必要がありません。
- 安全性が高い:薬品を使わないため、コーヒー豆に直接薬品が触れることがなく、安全性が高いとされています。
- 一般的なデカフェ方法:日本国内で流通しているデカフェコーヒーの多くで、この方法が採用されています。
ウォータープロセスには、代表的な国のプロセスが2つあります。それぞれカフェイン抽出方法が異なる国際特許を取得しています。
マウンテンウォータープロセス(メキシコ) スイスウォータープロセス(カナダ)
2. 二酸化炭素抽出法 (超臨界二酸化炭素抽出):(有機JAS認証製法)
安全な製法で、カフェインを狙って抽出しやすい方法です。
一言でいうと「二酸化炭素を液体でもあり、気体でもある『超臨界流体』という状態にしたものを溶媒として、カフェインを除去する方法になります。
この方法のデカフェ処理では、超臨界流体にした「二酸化炭素」を溶媒として用います。水分を含ませたコーヒー生豆を頑丈な釜の中に投入し、一定の熱と圧力をかけて超臨界流体にした二酸化炭素に接触させます。
すると、気体の拡散性と液体の溶解性を併せ持った超臨界流体の二酸化炭素がコーヒー生豆に染み渡り、溶媒として作用しながらカフェインのみを溶かしだします。 カフェインを溶かし出した二酸化炭素は、カフェインを除去しクリーンな状態に戻してから再利用します。このように機械の中で二酸化炭素を循環させてカフェインを取り出していきます。
3. その他 (有機溶媒抽出法)
有機溶媒(ジクロロメタンなど)を使用してカフェインを抽出する方法があります。日本では、有機溶媒抽出法は輸入が禁止されているため、あまり流通していません。
まとめ
このように、日本農林水産省が認証した上記2種類のカフェイン除去方法で作られたデカフェは、安心で安全に楽しむ事が出来ると思います。
また焙煎業者によって焙煎の度合いなどで変わる味わいも多岐に渡ります。そのあたりも含めてさまざまな味わいを楽しむのも良いですね!
ひとりひとりの生活に合わせて、自らカフェインをマネジメントする。健康や良質な睡眠のために今後ますますこのような流れが広がって行きそうですね!
参考文献
リケラボ 理系の理想のはたらき方を考える研究所 https://www.rikelab.jp/post/4874.html