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コーヒーの収穫・精選・乾燥・選別について

目次

主な収穫方法

○手摘みで完熟果実を1粒づつ摘む方法(手摘み)
 メリット・・・未成熟果実の混入率が低い。(熟度の均一さが揃えられる)異物の混入率が低い。
 デメリット・・・作業コストがかかる。人手不足に対応しにくい。

○地面にしごき落とす方法
 メリット・・・作業コストが安い。
 デメリット・・・未成熟や過熟果実が混ざりやすい。(熟度が均一にならない)
         異物の混入率が高い。地面に直接落とす場合は、細菌のダメージを受ける。

○機械で収穫する方法
 メリット・・・人件費などの作業コストは低い。
 デメリット・・・広大でフラットな大規模な農場のみ適している。斜面で栽培している農園は不可。
         未成熟や過熟果実が混ざりやすい。(熟度が均一にならない)
         機械を導入する初期費用が高い。

コーヒーチェリー画像
コーヒーチェリー画像

主な精選方法

精選とは収穫後、コーヒーチェリーから種子を取り出し生豆にする工程で、方法により風味が大きく変わってくる。
また土地の風土や条件によって方法が選ばれることがある。例えば、水洗式は水を多く使うため、水が豊富でない
場所には向いていない。

○アンウオッシュドナチュラル(非水洗式)

粗選別→乾燥→脱穀

 収穫した果実をそのまま乾燥させ、乾燥後に果肉・ミューシレージ・パーチメントを一度に剥ぎ取る。
 乾燥後、黒くなるのが特徴。独特の風味が得られるが、未成熟果実の混入率が高い。

 メリット・・・工程のシンプルさ。水洗式とは違う風味が得られる。
 デメリット・・・乾燥後は未成熟果実と完熟果実の見分けがつかなくなるため混入しやすい。
         対策として、収穫時に混入率を低くすることや、粗選別時に未成熟果実を取り除くこと、
         また脱穀後の選別工程で均一性を高くすることが重要。

○ウオッシュド(水洗式)

ウオッシュドコーヒーの精製

粗選別→果肉除去→ミューシレージ(粘膜質)除去→水洗選別(比重選別)→乾燥→脱穀

 パルパー(果肉除去機)という機械で外皮・果肉・ミューシレージを取り除きその後乾燥、  
 パーチメントを取り除く。完熟果実と未成熟果実は同時にパルパーにかけられるが、完熟果実の果肉などは
 容易に剥がれるが、未成熟果実は果肉が剥がれにくく残ってしまうのため、この段階でサイズが選別され
 均一性が高まる。

ミューシレージ除去の2つの方法
ミューシレージとは・・・コーヒーチェリーの外皮と果肉を剥がした際に種子の表面に残るぬるっとした粘膜質。

・フーリーウオッシュド(発酵層処理)・・・酵素と微生物によって粘膜質を分解させ除去する方法。

・パルプドアンドデミューシレージ・・・機械処理によって粘膜質を除去する方法。

○パルプドナチュラル

粗選別→果肉除去→→水洗選別(比重選別)→乾燥→脱穀

 ミューシレージを残した状態で乾燥させ脱穀する。
 パルパーにかけて果肉を除去することで豆の大きさの均一性が高まる。

スマトラ式

粗選別→果肉除去→ミューシレージ(粘膜質)除去→予備乾燥→脱穀→本乾燥

 果肉とミューシレージを除去したのち一時乾燥・脱穀を行い、再度乾燥させる。
 スマトラ式で処理された生豆は独特の深緑色に仕上がり、これが付加価値の一つとなる。
 予備乾燥後の脱穀で生豆を傷つけてしまったり、その傷から菌が侵入することでダメージを受けるリスクがある。

乾燥

乾燥とは、収穫したコーヒーチェリーを乾かすと同時に、空気に触れさせる好気性発酵を促し風味を作りだす役割を果たしてる。
・収穫後のコーヒーチェリーの水分含有料は60%〜80%。
・精選・乾燥させた生豆(グリーンビーンズ)の水分含有料は10%〜13%。

乾燥させる上での注意点
・不十分な乾燥は、微生物などからのダメージを受ける。
 過度な乾燥は、損失・割れ豆・欠け豆が増える原因となる。

・乾燥速度が早い場合、発酵(コーヒーチェリーの時)微生物によるダメージがある。

2つの乾燥方法(経済的理由、気象条件などでどちらか一方または併用するパターンがある)

天日乾燥(サンドライ)・・・古来より行われてきた方法で付加価値がつくが、
               土からの微生物のダメージを受けることがある。
               乾燥期間は、水洗式では1〜2週間、非水洗式では2〜3週間。

機械乾燥(マシンドライ)・・・乾燥時間が数十時間で終わる。熱風温度の上限は60度で、生豆の水分量に
                応じて熱風の温度制御が必要。
                理想的な品温は、コーヒーチェリーが45度、パーチメントコーヒーが40度。
パーチメントコーヒー
果肉を取り除くと出てくる、パーチメント(内皮)に包まれた種子。
ウオッシュドやパルプドナチュラル、スマトラ式もこの状態で乾燥を行う。
出荷を迎えるまでの保管期間ではこのパーチメントコーヒーの状態で保管される。

脱穀・・・脱穀機を用いてドライチェリーやパーチメントコーヒーに負荷をかけて割り、
      種子(グリーンビーンズ)を取り出す。

選別

選別とは、生豆(グリーンビーンズ)の大きさを揃えることや、未成熟豆や欠点豆(虫食いや欠け豆)を除去することが目的で以下の順に行われることが多い。

風力選別
 風力と重力を利用して比重別に分け、スクリーン選別前に行われることが多い。

スクリーン選別
 異なるサイズの穴が空いたスクリーンを重ね振動によって分離。
 (フラットビーンは丸い穴。ピーベリーは細長い穴)
※サイズは各生産国の輸出規格と直結していることが多く非常に重要な工程。

比重選別
 傾斜した振動するテーブルに豆を置き、重さ別に分けていく工程。

電子選別
 センサーを使用して色が異なるものを除去していく。黒豆や未成熟豆を除去。

ハンドピック
 目視で欠点豆を除去する工程。

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